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2003年8月17日

Y君との対話

季節銘柄

season stock

summer stock:エアコン、ビール、

春:薬品(花粉症)
冬:デパート、ス-パ、おもちゃ

ダイキン工(エアコン)60%ぐらい当たっている

麒麟麦酒:夏の温度1度あがると一日90万本売り上げが伸びる。

麦藁帽子は冬に買え

株は半年先に投資せよ(先物)逆に言えばリスクも覚悟

半年以上を見極める


電子情報工学科 Y君との対話

こんにちわ。お久しぶりです。3週間程前に研究室に伺ったYです。お元気ですか?

少し忙しくて「金融工学の悪魔」という本はまだ読むことができていません(^^;

ところで有本先生のHP拝見しました。

「人の行く裏に道あり」について、相場格言的には「人の行く裏に道あり花の山」と古くから言われていて、確かに人とは逆方向に行くことが相場の勝ち方ではあろうと思うのですが、非現実的であると思います。この格言は、「人の行く方向が分かる」と言うことが前提であるのですが、それが分からないから裏に行きたくてもいけないというのが現実のはずです。この言葉だけでなく、曖昧すぎてどちらとも受けとれるような「逃げ」が存在する格言は実践では役に立つとは思えません。

相場というものは学問的・理論的な方向からアプローチをしてしまうと理想に走りすぎる事になり現実無視と言う結果に陥りやすい。。。というよりも最終的には確実にそこにはまる気がします。

生意気言ってすいませんTT

またご意見お願いします。それでは

Y

======

すみません。返事が遅れてしまいました。メールありがとうございました。一応自分なりの考え方を書いてみます。

無裁定の仮定は平均値として成り立つということで、個々の取引では多くの裁定的要素をほかの人が気づかぬうちに早く見つけたり、ルールブックを表面どおりに解釈していてはみつからない勝ち方をさがす努力はしてもよいのではないか。

「逃げ」(逆)ではなく、難しいことだけれども「うら」も探す努力だけはしておこうということです。みつかればもうけものです。

裁定とは、異市場同士のさや取りと言うことですよね? 超短期売買においては、システムに頼らざるをえない部分がどうしても存在すると思います。しかし、例えばこういう異市場のさやとりに対して数学を使うような金融工学と言うものは顔を見せるでしょうか? 勝ち方と言うのは実は単純なことを実行できればいいだけであると思います。

また、「人の裏に道あり」について。これは大勢(たいせい)の逆を行くと吉と言う意味です。人がやらないことをやると言うものとは少し意味が異なる気がします。

経済は無個性な価格の変動を相手にしているとはいえ、人間の思惑、生活を背景に持っているのだから、心理学者や経済学者が言うことも参考にしておこうぐらいです。

数式を用いる際、ランダムな要素と決定的な要素があるとき、微分計算をもちいてランダムな要素が消去できるなら消去して、より確実な指標を考察対象にしようというのがブラックショールズ式の考え方です。

なにを基準にランダムな要素と決定的な要素を分別するのでしょうか? また株価に対して先行する指標など一つもありませんが、そういうものを考察対象にしてもしょうがないと思いますがどうでしょうか。

心理学者や経済学者なんてあやふやな学問だと僕は思うため、人によって言うことが異なりそれこそ混乱してしまうと思います。

だれがどのように使うか、これは異なる次元の問題です。学問が寄与できるのは如何に意思決定を成功させるかの部分より、的確に意思決定をさせるためのよきデータを作る方法論にあります。

まったく同意する部分です。「如何に意思決定を成功させるかの部分」に偏るのではないかと心配していたのです。これは必勝法の開発と言う感じになり、絶対に不可能なためそういうことならやる気が全く起きませんでした。

「的確に意思決定をさせるためのよきデータ」と言うものを"道具"と見ましょう。そのデータは実践で役に立つ道具だと仮定します。道具を使うのは人間です。その道具を旨く生かせるのか、、、これは使う人の技術の問題です。これを異なる次元とおっしゃっいますが、「知っている」だけでは駄目で「知っていて」そして「できる」と言う状態にならなければ意味がないのではないでしょうか?

勉強とは如何に多くの知識を集めるというのではなく、如何に一つのものを深く究めるかということであるべきはずです。

この方法でオセロゲームではコンピュータが人なみ人間以上の力を発揮できるようになったわけです。 同じことができないだろうか?

オセロゲームとは手数が余りにも違いすぎると思うのですがどうでしょう? こういう事は正直苦手なんです~

おおいに生意気を言ってください。ぼくは数学こそがオールマイティだというドグマを学生時代に植えつけられ それだけで、食べてきました。研究者というのは霞を食べて生きる仙人にすぎません。ただ、アブストラクト(抽象的)に考えるのを好みます。抽象的というのは世間では、あいまいよくわからないの言い換えですが、ぼくのいってるのは、本質だけを取り出すことができる方法という意味です。

ここまで自論を繰り返しとして述べてきましたが、君の言ってる意味は、学問的にやることが、相場士にとって逆にマイナスになる、直感だけを頼りにやるほうが読みを正確に行えるということですよね。この問題には全部は答えていないようですね。時間をください・・・・・。小林君の意見も聞いてみます。

直感だけを頼りにやると言うよりは、よりシンプルな資料だけを利用してそれをよりどころとして値動きの流れに乗ろうという考え方で技術を重視とします。色々な、、、いわゆる高等数学とか経済学とか金融工学等を考慮にいれてしまうよりかは、資料もなにもない本当の直感だけでやった方がまだ良いと思います。

余計な事を考えれば考えるほど最悪の手を打つというと言う考えですがどうでしょうか。なんだか読み返してみると、辛口のあげ足取りって感じですね。

本当に申し訳ないです!またご意見お願いします。

Y

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負けるかもしれない。村原先生助けて。

勝ち負けなんて言うのではなく両者にとってプラスになるような議論をしましょう。とか言いながら反論ばかりしちゃってますが(TT

短期ということは情報の伝播が不十分ということで、エルゴード的でないこと。あちこちに粗密状態がのこり、密状態にうまみあり。数学より物理かもしれない。異市場でありうるのは飛び地であり、時間がたつと飛び地がなくなり陸続きになってしまう。いまでも、あまり市場が洗練されていない土地には、掘り出し物があるかも知れぬ。早くしないと鞘取りはなくなる。

システム化されれば(アルゴリズムとして定式化され=数学)、つまり頭で考えたり直感に頼らない、機械的なマニュアルによる反応ができる。これにはアルゴリズム化できるところはしてしまい、残りの勘に頼る部分だけ入力し計算してくれるコンピュータの利用がよい。本質的なところだけ勘を用いるので迷いが少ない分すばやく結論が出せる。

このアルゴリズム部分にはブラックショールズといわずとも何がしか計算式を入れよう。多分、平均的なものとかニュートンの重力法則のようなもの。そうすれば、超超高速に、誰にもまけずに市場の動きに すばやく反応できる。早い者勝ち。

こういうものこそ前に言った理想に走りすぎていると言う状態に陥ってしまった感じではないでしょうか? もし、必勝法が存在したら市場が成立しないことから、必勝法は存在しないことが証明されるはずです。

数式を列挙していこうとするといつの間にか必勝法の制作と言う誤った考えの方にむいてしまったりする。こういう落とし穴がたくさんあるのが相場というものです。

学んで思わざれば則ち罔(くら)し。思うて学ばざれば則ち殆(あや)うし。

というのは僕にかなり当てはまるのですが、先生にも当てはまることなんです。

ちょっと辛口というか毒舌になって申し訳ないのですが、先生はオプションなり株式なり商品などの相場には手を出していないとおっしゃっていました。そういう人がこういう金融について教えるのは間違いだと思うんです。

やって見なければ分からないことをやる前にわかろうと言うこと自体無理なはずでありこのことを机上の論と言います。まず自分で株式なりオプションなりをやってみるべきであり、本物の相場に触れてみてそしてどれほど金融工学が寄与できるのかを教えるのが教育者の立場ではないでしょうか ?僕みたいな目上を立てようとか全く思わないクソ生意気な学生をボコボコに言いくるめるにはそれしかないはず(笑)

先生の場合根本的な問題として、「対象物の研究」がすごいと言うのは良く分かったのですが、実行するのは自分ということが抜けています。このことも学問の弱点であるのではないでしょうか?ショールズさんが所属していた会社は金融工学のプロフェッショナルを集め、負債数千億円で倒産したそうですが、己が抜けていたのでしょう。

僕が前に「知っている」と言うことと「できる」と言うことは違うと言いました。それは株式投資をやってみれば本当に良く分かります。例えば損切り。これは分かっていてもなかなかできるものではありません。怖いヨ~ってなってしまって例えば数式によって売買サインがでていたり心理学者の意見を聞いたとしてもなかなか実行できなかったりします。

いずれにせよやってみるべき(シュミレーションではなく本物を)であり、そして本質にせまってみてください。

「敵を知り己を知れば百戦あやうべからず」

少し忙しくなってしまったことと前回のメールが感情的になってしまった為に間をあけてみました。色々すみません。

必勝法の製作ではなく、ルーチン化できるものはルーチン化しておいて、本当に勘に頼らねばならないところだけを絞り込んでおく。結論を的確に早く出すことが重要だと思うからです。勝ち負けの統計時系列を得て、大きく負けないことが重要なんですよね。リスク管理。負けもあるけど、そこそこ勝ち、いき続ける。

経営学なんてのも同じだと思う。意思決定のためのデータベースはないよりあったほうがいい。そのデータベースを無視して意思決定することは当然ありですが、データを知らずに結果的に無視してるのと、知ってて無視するのとはおおきく違う。

そうですね。リスク管理とかを徹底してできる様なものが素晴らしいと思います。データベースもあった方が断然いいと思います。その際どのようなデータを取るべきか等の試行錯誤が必要になりそうです。

小林君の助けを求めたのは確かに自分が相場やってない弱みが理由でした。でも自分が恐れ多くも「金融工学」の講義をしたことの言い訳をしましょう。

自分を教育者と思ったことはありません。こんな考え方もあるよ、面白かったら御代払ってねという感じです。ぼくは社会現象として金融工学に興味を持ちました。人間が関与している複雑系。

たしかに、純粋な意味ではランダムでない。人間が決定論的に物事を処理する過程であるから。でも、評価したり、勝ち目があるないの物事を順序付ける方法は人間心理と関係してる。

線形関数(正比例)じゃないほうがいい場合もあるんだよ。直感だと線形と考え勝ち。それは、オプションをやらなければわからないというものでもない。いくらでも一般論というものが世の中に存在する。

ぼくの指導している女子学生は「サッカーエージェントの作成」という研究テーマでコンピュータ上の選手がどのようにして戦術を獲得していくか、強化学習というのですがシミュレーションにより実際にエージェントを作る研究しています。

彼女はサッカーは見るけど自分ではやりません。これはぼくも同様。でも、こうやったら早く戦力をつけら れるのでないか、サーカーの得点はきわめてランダムで先取点を入れたほうが勝つポアソン分布としてみよう。結構説明できるね。など。ぼくは彼女から学びます。この丸いのはどちらがボールでどれが選手なの? 「この子が・・・・」。あそう。彼女は完全にシミュレーションの数字を擬人化できてる。

じゃ、Qテーブルを2種類考え、一方はパスをすると褒美を与え、もうひとつはゴールが出来たら褒美を与えるとして、シミュレーションしてみたら。自分では一度も試合をしてないけど議論はできてるよ。

たしかに自分でやったほうがわかることもあるだろう。やらないほうが大胆にできてわかることもあるんじやない。

同様に最近「人工社会」というのが提案され、株式市場もシミュレーションすることがやられています。人間の経済活動はせいぜい50年。コンピュータ上では何回でも人生を擬似的にだが経験でき、物理実験と同様に、頭の中で考えているだけでは気がつかない理論を発見を出来るというものです。econophysics というそうです。君は人生を何回も経験できますか?

シュミレーションについてはあくまで空想の世界であり、現実とは違う安易な心理状況で全てを行っていくので全くの無意味であるかと思います。例えばサッカーシュミレーションについては議論はできるが論点が間違ってはいないだろうか、と考えます。おそらく画面上で11vs11が動いて試合を行うと言った形式で、自分は監督?的な立場にいると思われますが、先生のおっしゃる風だとそのサッカーシュミレーションのシステムを昇華させていけばサッカーの監督になれると言ったように感じます。株式のシュミレーションでの"売ったつもり""買ったつもり"は果たして意味があるのでしょうか。これでは上達するはずがありません。

このサッカーシュミレーションにおいても"サッカーの試合を100万試合やったつもり"で監督としての能力がアップするはずがないのではと思います。そして株式シミュレ ーションでは実際の売買で最も重要となる精神的な部分(期待と不安の交錯)が欠落してしまうといった欠点も上がってきてしまいます。

そういった机上の空論は理屈はいいのですが、実践しようとするものにとっては甚だ悪いものであると思います。なぜならば全てにおいて本質に触れることができないからです。大胆にできるとありますが、それでは上に書かれている「リスク管理」とは矛盾してしまいます。真剣さにかけてしまいます。

また物理とは違い、サッカーも相場も実践者の能力に目を向けてあげなければなりません。相場格言として

・対象物の研究がいくら精密になっても技法を除外しては全て無駄である

と言う言葉があります。つまり能力を考慮にいれない学術的のみのアプローチは金融工学に限らず全て駄目であると言うことです。なぜならばどんなものでも机上の学問と実践には隔たりがあると言うことはご存じだと思いますが、相場においてはこれが全くない、または隔たりが少ないと言った錯覚におちいってしまっているものだと思いますがどうでしょうか。

ぼくは学問をきわめ、只者でない人間になりたいのです。研究し、世の中を見極めたい(わかりたい)だけなのです。

量子コンピュータはまだこの世の中にないのだけど、そんなコンピュータがあったらこんな計算が出来るねなど机上の論やっています。

「われ思うゆえにわれあり」で今日はしめくくり。

数学や物理学等の普遍的なものは僕も納得することができるのですが、経済学や心理学等の文系的なものは全て不成立と考えています。

英語なんて中高6年も勉強してもやはり机上的なもので実践的な視点がほとんど無視されているため、読み書きはできても生活英語をしゃべれる人も多くはないですよね。

僕は親の影響により株式売買に興味を持ち、今では将来のインフレの対策として真面目に取り組んでいます。

そこで先生の研究室に「金融」と言う言葉があったので丁度いいや~と思い自分よりの(机上の論ではない、実践につながる)研究をしたいと思い色々反発させて頂いています。暇なときで良いので是非

・株式上達セミナー 林 輝太郎 著  同友館

この本を読んでみて下さい。僕はこの本の考え方であり実践的で色々な錯覚を正すように書かれている名著です。こんな考え方も存在するんだね、程度でいいので是非お願いします。ふざけたタイトルだなんて言わないでください^^;

ところで普通の質問なのですが小林さんのメールには金融工学は予測を前提にしていないとありますが、金融工学とは何を目的としているのでしょうか?金融工学とは一体なんなのかを教えて下さい。

あと、疑問に思ったのは予測を前提としていないのにショールズさん達はなぜ会社を建てディーラー業をやって倒産させているのかが謎過ぎです。。。。

それでは

Y

======

早くレスして頂いてるのに、いつも遅れてしまいます。すみません、、、

なるほど。小学生や中学生に使わせるのは、やはり危険?おとなが、自分を律して使う。最近の将棋指しはパソコンで練習。シミュレーションしてみて始めてわかるということはないだろうか。自己分析ができたり、友人にやらせて自分と違うところを見つけたり。君の言う「臨場感を出すシミュレーション」は売れると思うよ。

将来、インターネットが進歩すると(たとえば、PtoP ファイルの共有システムで音楽を交換するところから、経済でも最初はバーターぶつぶつ交換から貨幣経済に発展したように)相場市場がテレビゲームのようなものになるのではないだろうか。

イラク戦争、アフガニスタンの戦争これらは極めて忌まわしいものだが、文明の果てにあるものは平和でなくゲームのような殺人でしかない。

ゲーム感覚と言うものは「おあそび感覚」と言うことです。危険と言うことは無いと思います。たぶん、、、、ちょっとこういうのは苦手です。

ただ価値観の喪失をしてしまう事はあるのではないでしょうか。丁度フライトシミュレーターと言うことでこんな事件がありました。

http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/details/hijack/0729-1.html

少し考えてみたのですが将棋などは「本当にうまい人」以外には有効であると思います。僕が問題と思っているものは「心理面で現実と乖離してしまうシミュレーターの利用はあまり意味がない」のではないかなと言うことです。特に相場の場合は継続して行うことで錯覚が増幅していく危険なゲームであるのでシミュレーターは有害と言うことですが、この議論は平行線になりそうです(TT

戦争を例に挙げてしまうと、「実弾訓練」と「戦地で戦う」の二つの大きな違いは自分に向かって弾が飛んでくる・本当に人を殺すetcと言うことではないでしょうか。先生は戦場で「実弾訓練」と同じ心理状態でコトを運べる自信はおありでしょうか?「実弾訓練」でなくともそう言った類のシミュレーターをいくら使ってもいいとしてです。また、シミュレーターだけで兵隊の心がわかるとは思えません。

技術の進歩は確かに最終的には人を殺すものであるように思います。

カウンセリングの手法の一つに催眠術があり、これで誰でもその人を錯覚で嫌いなものを好きにしてしまえる。クライアントがカウンセラーを好きになってしまうのはフロイトの本読めば書いてあるよ。

催眠現象なんかは良い例だと思います。この場合催眠にかかり、且つ深くかかる人と言う前提条件がつかなければ感情を支配することはできません。誰でもと言うのは誤りです。テレビで放映する催眠ショーなんかは事前にチェックして催眠に深くかかる人だけを集めて本番に望むそうです。

ある程度は計画経済により成長できる。かって日本が成長できたように。いま中国や韓国が成長しているように。ただ、君の言うようにすべて過信してバブルははじけるが。金利をめちゃくちゃ下げてるのも、景気浮揚コントロールの一環。遅きに失しているが。貯金するより投資したほうが得という状況作っても日本人は貯金してる。これは理論が怪しいてこと?

ちょっと調べてみたのですが1980年代後半には2.5%の公定歩合と3%前後の短期金利を2年間続け長期金利は5~6%であったと言うことです。それでも大バブルはおきました。現在は公定歩合0.10%、金利については無惨すぎますね (TT 金利面から見れば今はウルトラバブルがおきなくてはならないはずがその逆で不況のまっただ中です。簡潔に言えば「金利と相場は関係ない」と言う結論に達することができるかと思います。

あとケインズは「一般論」の中で「いかに不況といえど公定歩合を2%以下に下げるとこれはもう社会主義であり、そんな馬鹿な国があるはずがない」と書いてあるそうです。日本はあるはずがない国と言う状態です。

理論は正しそうに感じます。ただゼロ金利政策のような状態にしたところで政治家の思惑通りには人は動いてくれていない。こういう事をなんて言葉を使えば良いのかわかりませんが、最終的には理論倒れ?理論と現実は乖離する?みたいな事を言っておけばいいのかと(^^; 経済を動かすと言う事は風が吹けば桶屋が儲かる的な思想が根本にあるのではないでしょうか。もちろん経済学はほとんど勉強してないのであまり大きいことは言えないのですが、、、、ただファイナンスの分野において調べてみるとそういった思想に溢れているな~と感じました。

風が吹けば桶屋が儲かる-

風が吹くと砂ぼこりが出て盲人がふえ、盲人は三味線をひくのでそれに張る猫の皮が必要で猫が減り、そのため鼠が増えて桶をかじるので桶屋が繁盛する。思わぬ結果が生じる、あるいは、あてにならぬ期待をすることの例え。

ここは、確信があっていったわけでなく、仲間がやってるからときどき気をつけとこうぐらいです。産業連関分析では、農業、工業、商業と分類してそのやり取りマトリックスを使うと時系列が計算できる。このマトリックスは、経済が未発達と技術が進歩したときではかなり違っている。個人の消費活動のパターンを表す目安にエンゲル係数というのがあり、食費に占める割合が低所得では大きいとか。数字で表すことができ、いろんなことが説明できる。

法則とか、類推とか。たとえば、生物の進化と一人の人間が成長するのが同じ。赤ん坊のときは、えらがあり水(羊水)の中で生活し、・・・。 過去というのは適用範囲が同一現象の範囲でしか考えないことになってしまう。なんにも判断データがないときでも意思決定は迫られる。

エントロピー最大というのがある。ほとんどデータなしで選挙などピッタし当てる人も成功して自慢してる本もある。エントロピー最大というのは、占いみたいなものかもしれない。わからないものが3つあってどれがおきるかわからないとき1/3,1/3,1/3 とすること。過去から得たデータならもっと違った具体的な値がヒストグラムから出せるはず。

確かに同一の現象は存在しないと考える方が現実的だと思います。ただすべての参加者が安く買って高く売るために行動していることで価格が変動しているという構造は昔から変わっていないため値動きは似かよってくると言うことです。しかし同一現象は存在しないため誤差が生じるから先生のおっしゃるようにまず時系列データを取り、ヒストグラムにしてみるというアイデアが一番だと思います。よろしければ産業連関分析の時系列データと言うものを見せて頂きたいです。

「なんにも判断データがないときでも意思決定は迫られる。」と言う意見は実践者よりから見ると非常に盲点で新鮮だなと思いました。というのはここが自分の出番!と言うとき以外は売買せず黙って静観すると言うのが一般的なんです。売買には参加権(拒否権)があるのですが、それがないと言う状況も考えないといけないと言うのは大変ですよね。

この最後のところはたしかに重要だと思います。予測のところを学問=研究と読み替えることもできるね。

ちょっと前回付加してお送りしようと思っていたことで書き忘れてしまったのですが、もし50%をわずかでも越える相関関係が発見されて損益に比例するのならば世界中の金が手に入るということで、市場が破壊されるどころか経済が成立しなくなりますよね。つまり予測に際して50%よりも上の確率は不可能というスペシャル大前提ができてくるはずです。50%未満だとその逆で行き着く先は破産ということです。

小林さんのメールに「ロイ・ニーダー・フォッファーの自動システム売買」と言うのが書いてありましたが、その人はおそらくそう遠くない時期に破産すると思います。 この世界には儲かるシステム売買というものは存在するはずがないのですが、この50%と言う数字に気づかずに研究している人が恐ろしいほど多いのです。うまくいったりうまくいかなかったりする時があるからこのような錯覚が発生してしまうのだと思うのですが、、、、

気になった点があります。数学を使った予測の理論とはどういったものを目的としているのかを教えていただきたいのです。やはり先生の提唱する「ルーチン化+人間の感覚」と言うことが現実に対処するには最高のやり方の気がしますが、現実の値動きに対して研究を行う際、限界点と言うのを定めないと空想の世界に入り込んでしまいさらにその事に気づかないと言う事態に陥ってしまう可能性が高いかと思います。金融ほど錯覚が生じる世界は他に類を見ないと思います。だからおもしろいのですが。。。

※「人の裏に道あり」でノーベル賞もらえるなら、50%より上は不可能論

でもノーベル賞もらえてしまうのでは?(TT これがあるからコンピュータがいくら発達してもだめなんですよね~。同じ予測でも弾道ミサイルの予測と金融の予測ではかなり違うと思います。

すみません。かなり長くなってしまいました。また宜しくお願いします。

Y

2002年10月18日

行動経済学

ノーベル経済学賞 ダニエル・カールマン「行動経済学」 

市場が悲観的な空気に支配されているときは、何をしても悪いほうに進む

「人の行く裏に道あり」

--朝日新聞---

エコノフィジックス最前線

数理科学10月号 2002年

2001年7月16日

LTCM伝説

マートンによれば、オプションのすばらしいところは、普通の投資家が株を売ったり買ったりする煩わしさから

開放されることであった。相応のコスト(プレミアム)さえ払っておけば、指数が下落した場合のリスクなしで

上昇時の利益のみをとることができる。

将来はこのような巧妙な金融仕組み商品で満ち溢れ、携帯電話の便利さであふれることになる。

(LTCM伝説)

2000年7月 5日

金融工学の考察

統計学者なら、μとσを推定すればいいと考えるだろう。しかし、無裁定のたちばから、μは安全資産の利子率で置き換えられた。つまり市場で与えられるものを使えばよい。するとあとはボラティティだが、これも統計学者なら分散の推定などという理論を持ち出してくるだろう。

ところが、ここで市場の適正なオプション価格を求めるはずのブラックショールズ式を逆に使う、市場のオプション価格をたくさん集めてきて、逆関数としてσをけいさんしてやるのだ。

これはインプライドボラティティと呼ばれ、ウオール街ではすでに常識的に使われているものらしい。

ファインマンの講義に強く影響をうけゆくゆくは物理学者になりたいと思っていた。・・・・ロスは、検証を進めていくうちに、ファインマンの理論をロスなりに実証して、この理論を株式市場に当てはめていた。ロスは、株価が変動可能なパターンすべてをツリーダイアグラムに書き換えてみたのだ。基本的には、量子力学を金融市場に取り入れたといえる。(LTCM伝説p.120,125)

なかったりするをオプションの価格をVとする。Vをどうやって評価するか。つまり、Vに対してどれぐらい支払えるか? これはブラックショールズの公式で求められる。

S(t)は2項分布のプロセスを極限操作で導かれる正規分布で表現され、つまり

dS(t)=μSdt + σS(t)dw(t)

という確率微分方程式で表現される。w(t)はブラウン運動である。

ここで無裁定の仮定をする。道端にお金は落ちていないという仮定。

(香港でドルが190円で売られており東京でドルが210円で売られていれば、単純に考えて香港でドルを買い東京でドルを売ると差し引き20円得などのようなさやあてともいうもの。これらは情報の伝播でみんながそのような行動をとったりして結果的にはそのようなおいしい話は消えてしまうという仮定。)

しかし、実際これからやることは、表面的な無裁定があっても、法律や国家間の規制や税金の仕組みもろもろから裁定を探すことによって利益を探し出すことになるのだが。

この場合債権を用いる。つまり上の式でμと書いたものを債権などの安全運用利率rで置き換えるポートフォリオを組むといってもよい。(Δヘッジという。数式ではそれによりdw(t)の項が消えてしまうことになる。)

得られた式はσとrと正規分布の式だけになる。この正規分布の式はVが満たす熱伝導方程式の解として出てくるものでw(t)とは別である。結局、σ(ボラティティ)とrだけからオプションの価格が計算される。

刈屋 武昭著

金融工学とは何か

「リスクから考える」

岩波新書

伝統的な業態的金融論と21世紀には中心となる機能的金融論の比較をしよう。

(これはソニー銀行やコンビニで株を発売したり銀行だけが金融を扱うわけでなく保険やローンやいままで業態ごとに別々に考えていたものを垣根を払い総合的に考えてしまおうというコロンブスの卵の話である)

第一に、2つの金融論のもっとも基本的な相違は、そのよりどころとなる分析的枠組みである。

・・・略・・・業態的金融論では業態の変化を扱う分析的枠組みを持ち得ない静的なものであるのに対し機能的金融論では業態の変化を扱う・・・金融工学が活かされる。

第2に会計的見地から業態的金融論では価値配分業態的金融論では1時点で評価される価値を考えるのに対して、機能的金融論ではリスクを計測することに焦点・・・・略・・・・・・・金融工学の必要性

第3に業態的金融論では規制の問題。業態維持の発想、商品規制、価格規制・・・・・機能的金融論では効率的になる。・略・・・金融工学の役割大

金融工学は新たな製造業であるとも言っている。物を生産するのでなく情報? 金融商品を生産するのである。

説明が難しいので困るが、言っていることはまともで、いやものすごく重要なことを言っているのである。

金融工学は社会の変革を前提に考察しなければその本質がわからない。主客転倒かもしれないが金融工学がうまれ経済の仕組みまで変わる。

じゃ、なにがうれしいか?

1日でこの本を流し読みして1週間ほど自分の頭で考えてみよう。ぼくはなにかあるような気がします。

Moneyのグローバル化のもたらすもの

ここで1997年タイでおきた経済事件を記録しておく

1993年IMFが推進した金融の自由化に対応してタイは外国からの資金の導入を認めた。当時1バーツ=25ドル(アメリカドル)に固定していた。(固定相場制)日本を含む海外の投資家にとって非常においしい状況ができた。つまり、

タイの金利=12% アメリカの金利=5%

言い直せばアメリカからお金を借りてタイのバーツに替えると差し引き7%の得

つまりノーリスク、ノー資金で10年で(1+0.07)**10=2倍

となる。国家の年間予算の10数倍もの資金が世界各国から集まりタイ国民は空前の金持ち国となった。

しかし、1996年貿易輸出は赤字に転化。理由:バーツ高=輸出品の価格高=買わない。ヘッジファンドはこの状況に目をつけた。

・・・・固定相場制が崩れる・・・・崩してしまおう。

金融の世界化=パソコンと電話さえあればだれでも参加できる。バーツの切り下げを予想し、先物契約1ドル=25バーツで売る権利(プットオプション)を買った。

たとえて言うと権利行使時期に1ドル=35バーツになっていれば1バーツ=1/35ドルのものを1バーツ=1/25ドルで売れる。大もうけできる。バーツ安になればなるほどもうかる。

このような状況を作り、世界から集めた資金をもとにして大量に買ったバーツをどんどん売り始めた。
値下がりし始めたのをみて他の銀行もバーツを売り始める。タイは国家の信用をかけてバーツを買う。
ドルなどの外貨が国庫から消えてしまうーーー>もう切り下げしか方法がない。

このようにして1997年7月2日タイはバーツの切り下げをテレビで発表。バーツの大暴落、タイ経済の破綻。1998年のタイの経済成長率は-8%という惨めさ。

しかし、1999年にはタイの経済成長は4%に挽回していることにも注目しておこう。

お勧めの本:

金融工学の悪魔(吉本佳生 著、日本評論社)

縦軸が収益率(平均)、横軸がリスク(分散)。収益率は大きいほど望ましい。リスクは小さい方が望ましい。

つまり、次の図でA,B,Cは北東の方向にある方が良い。

AとCを比較:収益率は同じ、リスクはAの方がCより(A>C)

BとCを比較:リスクは同じ、収益率はBの方がCより(B>C)

AとBを比較:リスクはAの方が収益率はBの方が優れている。

安全を取る人―――>A、リスクがあってもまぐれでも儲けが大きい方が良い人―――>B

しかし、こんな風に単純ではない。ポートフォリオを組むといくつかの商品に財産を分配して金融資産を保有することにより収益率――リスクの無差別曲線(等高線)が微妙な形になる。ポートフォリオのとつ結合から収益率は線形関数でリスクは分散(共分散)の2次形式(多次元の放物線)であることから次のグラフのようになる。

Eは預金とか貯金のようにリスクゼロの商品。これは比較の対象として基準値と考える。これより悪いものは普通考えない。頭を使って時間を使うだけ無駄。

DはAとBを半分ずつ持った場合をあらわす。DはBより収益率が低いがリスクではAよりもBよりもひくい。AとBを直線で結んだ真ん中でないことに注意しよう。(このことが直感ではなく数学を使った結果であり、メリットといえる。)

この最後の図ではBとCを組み合わせたポートフォリオを考えるとFとなり、Bよりちょっと収益率は下がるがリスクが大幅に下がる。単独で考えた時はCは除外すべき銘柄であった。

きわめて教訓的!システムなど複雑な系では個別に評価してはいけないのだ。

数学2000年1月号岩波書店p.77

数理ファイナンス:数学を駆使するファイナンス、あるいはファイナンスに題材を採った数学? (関根順)から文献を引用。

・米国先物証拠金システム・スパンの説明
http://www.charttop.com/Japanese/span.ja.html

・先物用語集
http://www.charttop.com/Japanese/glossary.ja.html

オプション戦略21種類のストラテジー。
http://www.charttop.com/egu.opt.strategy.files/frame.htm

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